詩の中庭

日々の読書、詩集や詩書の書評、覚書など。

2023-05-19から1日間の記事一覧

『びーぐる』に採録された書評(2014~2015年)

2014年~2015年、季刊詩誌『びーぐる』に投稿した書評を転載します。 「私たちは、つながっている」詩集『錦繍植物園』中島真悠子著 土曜美術社出版販売 定価(本体2000円+税) 血だらけの「あなたの指」が、「私の皮膚」を剥ぎとって、夜ごと刺繍していく・…

ミスター童心・・・武市八十雄さんの言葉(『みらいらん』5号2020年掲載記事)

童心、といえば思い出す名前がある。レオ・レオーニの『あおくんときいろちゃん』やいわさきちひろの『あめのひのおるすばん』『ことりのくるひ』、谷内こうたの『のらいぬ』『にちようび』などで知られる至光社の創始者、武市八十雄さん。福音館の松居直さ…

はちみつ色の記憶(『博物誌』50号2022年1月掲載記事)

いつも、“お守り”のように大切に引き出しにしまっている一篇の詩がある。吉野弘さんの「一枚の絵」。恐らくエッセー集からコピーしたものだろう、1978年12月と吉野さんの自注があるが、吉野さんのどの本で読んだものかどうしても思い出せない。 一枚の絵があ…