詩の中庭

日々の読書、詩集や詩書の書評、覚書など。

2021-12-24から1日間の記事一覧

『はなやかな追伸』日原正彦詩集(ふたば工房2021.7.15)感想

多彩な版画のような装画がとても美しい、ハードカバーのずしりと持ち重りのする一冊。レイアウトには十分な余白があるが、ぎっしり詰まっている詩集だというのが第一印象である。17行詰めなので見開きの文字数は多めの印象だが、視覚的な要因よりも、作品数…

『おだやかな洪水』加藤思何理詩集(土曜美術社出版販売2021.9.17)感想

少し縦長の判型、モノクロームの銅版画風の装画を辛子色の幾何学模様で縁取ったモダンなデザイン。透き通った青い鉱物をコラージュしたカバー装画が印象に残る。2010年の『孵化せよ、光』から数えて本作で8冊目となる加藤の詩集はすべて長島弘幸がデザインし…