詩の中庭

日々の読書、詩集や詩書の書評、覚書など。

2023-05-15から1日間の記事一覧

加藤泰義の「小さな詩論」―詩で生を思うということ

1 いつしか 訪れていたもの 夕べの庭に ひびきはじめるもの 初めには 山萩のしげみから 小さなふくらみの 一つ二つ さらに濃く 宮城野萩の 乱れ咲くなか 白露のとき こぼれるような こおろぎたちの声 2 まだ暑く蒸す 一日を終えて 帰ってゆくひとびとを こ…

比留間一成さんの思い出

比留間一成先生のお話を伺って (詩人 小山正孝の御子息、俳人の小山正見氏発行の『感泣亭 秋報』12号 2017に寄稿した文章を、一部補筆) ブレーメン通り・・・童話のような名前のその通りは、洒落た石畳とこざっぱりした街並み、それでいて活気にあふれた商…